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株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ

No.23 お客様事例

タイにおけるSpace-Eの活用事例

事業概要

私どもMEIWA MOLD(THAILAND)CO.,LTD.は、4輪、2輪のエンジン部品を主に、その金型設計・製作をタイ国、アマタナコーン工業団地内で営んでおります。

製品図を元にして、素材図作成より試作品の検査に至るまで、「客先のニーズにあわせた対応」をサービス理念に日々取り組んでおります。

また、新作金型のみにあらず、各種金型の修理、設変も積極的に取り組んでおり現在約40社の御客様と金型を通じ、お付き合いさせて頂いております。

工場写真
人物写真
Managing Director
佐藤 友治 様

Space-E導入の背景

3D-CADなるものが日本の金型業界で普及し始め、本社(株)明和製作所でHZSのGRADE(DS版)導入を決定、HZSとMEIWAとのお付き合いが始まりました。

'97年にタイ進出を決め、3D-CADの設備を検討、"本社からのサポートを受けられる"との考えより、GRADE-CUBE2台を導入しました。'98年にタイでの金型需要の拡大にあわせ1台を増設、その後も需要の拡大及びその難度性の上昇で、CADのさらなる増設検討が必要になりました。

その頃、日本でHZSがSpace-Eをリリースし、同じ時期、本社でもSpace-Eの増設を検討しておりました。ソリッドモデリングの機能が使用に耐えうるものになってきたのもその頃でしたので、どのシステムを選定するか非常に迷いました。

加えて、CUBEIIのソリッドモデリングオペレーション機能があまり満足のいくものではなく、ソリッドモデリングとその加工においては、Space-Eがどれほどのものか不安と期待があり、本社にもその状況を何度となく問い合わせました。

他のシステムを導入したときとの違いは、やはりCUBEの使用で培ったそのオペレーションの考え方が生かせるということでした。その反面、CUBE導入時に苦労した「サポートが日本のように受けらない」という問題との天秤が、最後までぐらぐらしていました。

結果は、前述のメリットが優勢に立ちSpace-Eの導入を決定、現在Space-E2台とCUBE3台で、月産約8型の金型をタイ国内に供給しております。

ダイキャスト金型
ダイキャスト金型
グラファイト電極
グラファイト電極
プラスチック金型
プラスチック金型

Space-Eの利用と効果

私は、本社に入社して約20年になります。その頃は、NC機械もまだ普及しておらず、手作業で曲面加工をし、サーキュラーテーブルで複雑なプロフィール形状を作っていました。それがCAD/CAMの出現で大きく変わりましたし、3D-CADの出現には、もっと驚きました。が、その驚きは、タイのスタッフにはありません。本社の若い年代のスタッフも同様ですが、金型を作り始めたときには、NC機械は当たり前、3D-CADも同様です。しかもそれは、シェーディングができ、くるくる回るときています。

私どものスタッフがCUBEを使用し始めて約4年が経ちます。Space-Eを導入して6ヶ月です。その変化にまったく物怖じせず何も無かったように使いこなしています。これが途上していた国で金型ができる理由であると私は考えます。もちろんこれはSpace-Eならではということではありませんが経験、技能が無くともSpace-EなどCAD/CAMを利用することにより安い賃金でも金型作りが創造できるということ。これこそが最大の効果ではないでしょうか。

Space-E 画面

また、CUBEはUNIXで、Space-EはPC(Windows)です。UNIX使用時は、そのコマンドによく頭を悩ませたものですが、Windowsの場合それがありませんのでタイのスタッフにとってもオペレーションに馴染みがあって良いですし、2D-CADがPCですので、それとの連携も楽になりました。ハードも比較的購入しやすく、機能的に物足らなくれば古いPCは他の業務にまわし、もっと機能の高いものと交換することもできます。UNIX機では、考えにくい話です。

Space-E使用による具体的効果ですが、もしMEIWA MOLDがCUBEを使用していなければ(Space-Eだけを使用していれば)、そのモデリング機能で作業の時間短縮につながっているでしょう。Space-Eは、自由曲面、ぼかし面などは、他のものより良いと私は考えていますし、一般モデリング機能についてもその汎用性は評価できると思います。

「CUBEを使用していなければ」と申し上げたのは、サーフェイスだけのモデリングによる効果の目減りがあると考えたからです。

CUBEには無い機能、すなわちソリッド機能については、その効果はまだ未知数ですが、ただSpace-Eの場合、ソリッドとサーフェイスの共有、各々への変換ができますので、ソリッドの良い面、サーフェイスの良い面を使用してモデリングが創造できるという点で、モデリングの時間短縮に効果を上げています。またNC機能についてもCUBEには無かった荒取りから仕上げまで一括バッチ処理で加工データ作成時間の短縮に効果をあげていますし、工具干渉も認識するようになりましたので、加工現場での問題低減につながっています。

最初に申し上げた私が考える最大の効果についてですが、私はスタッフに「モデリング、加工データは金型を知らなくてもできる。でも良い金型を製作するためのモデリング、加工データは、金型会社でないとできない」と話をしています。そのことからも、タイでのSpace-Eのサポートを私どもでさせていただきたいとHZSにお願いし、既にタイ国内で搬入されたSpace-Eのトレーニングを、私どもスタッフがさせていただいています。私が思っていた以上に自信につながったようで、社内だけではなく社外へ自分の持っている技術を出すことにより、もっと深みへと考えが向くようになりました。

設計風景

今後の課題、展開

最大の課題は、Space-Eそのものの安定性であると私は思います。Windowsに関わることか、フリーズの回数が多いので、作業に支障を起こしかねません。

内容については、やはりNC機能。しかも"削り残し切削"だけと言ってもいいのではないでしょうか。もちろん細かい問題はありますが、まず"削り残し"だと思います。私どもはWORK-NCなども使用しておりますので、それと比較してもその機能は多少劣っているように思います。

環境的には、海外で使用する私達にとって、海外版いわゆる英語版のリリースの遅れが上げられます。本社のバージョンだけ上がっていき、英語版はその数ヵ月後。その間、同じSpace-Eのファイルにも関わらずそのまま使用できなかったりしますので困ります。

また、Space-Eの関連ソフトには、英語版がほとんどありませんので、将来構想を練る場合、その枠が非常に狭いものになってしまいます。何故なら、いくらSpace-Eが優れていても、それだけでは金型は製作できないからで、総合的に海外での対応が遅れているのではないでしょうか。加えて、サポートについても日本とは雲泥の差です。普及しなければ本格的にはできないのは理解できますが、日本でのHZSのサポートを知っている人間には、そのギャップがなかなか埋まりません。

将来展開についても、上記の問題を解決していただかないと、Space-Eでモデリングをして加工データを作り、それを使って金型を製作する以上のものにはなり得ないと私は考えます。もちろん台数を増やすなどのことは進めていけますが、ただそれだけです。いろいろなアプリケーションとの連携がとれ、技術的サポートが受けられ、加えてカスタマイズなどもできてこそ、より業種にあったシステムを創造していけると確信しています。当然、英語版のことです。

HZSについて

日頃は、無理なお願いばかりを申し上げています。それに対し、可能な限りの対応をしていただいていると感じています。この場を借りてお礼申し上げます。

アジア地域での展開において、是非とも積極的な行動を期待しておりますし、我々MEIWAグループの海外展開に必要なものであることを疑いません。私どもの金型製作技術、タイでの経験などを利用していただき、前述しました諸問題を解決することに手助けできれば幸いと考えます。

HZS マーケティング部から

ありがたいご指摘、大変参考になりました。

東南アジアでのSpace-E展開は、2000年にスタートしたばかりですので、英語版特有の問題、サポート体制などにつきましては、MEIWA MOLD様のご協力を得て、積極的に対応させていただく所存です。今後ともご支援くださいますようお願いいたします。

会社プロフィール

会社写真
本社 700/381 MOO 6, AMATA NAKORN INDUSTRIAL ESTATE BANGNA-TRAD HIGHWAY KM.57 TAMBOL DONHUAROH AMPHUR MUANG, CHONBURI 20000, THAILAND
創業 1997年9月
資本金 4,000万バーツ
従業員 31名
売上高 9,500万バーツ(2000年)
事業内容 4輪、2輪のエンジン部品の金型設計・製作

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