働き方を変える! クラウドを利用してテレワークを実現
株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ カスタマー&サービス事業本部 クラウドサービス事業部 第一営業部 営業課 木村 雅裕 |
はじめに
従業員の離職や人材不足に困っていませんか? 教育投資を行い、戦力となった従業員の離職が企業に与える影響は決して小さくありません。新しい人材の補充ができなければ企業成長の足かせともなります。本稿では、人材不足の解消、生産性の向上における手段の一つとして働き方の改革としてテレワークをご紹介します。
働き方改革の推進
少子高齢化による労働者人口の減少、人手不足は現代日本の大きな社会問題です。育児や介護などによる離職もその一つの要因です。厚生労働省に所属する国立研究機関 国立社会保障・人口問題研究所によると2010年には約8,103万人だった生産年齢人口(15~65歳)もその35年後の2045年にはほぼ2/3の5,584万人まで減少するとの見込みです(図1)。労働者人口の減少対策として働き方の多様化が求められていることを背景に、経済産業省や総務省などは働き方改革を推進し、テレワークの普及を目指しています。
参考資料:内閣府の資料(平成29年版高齢社会白書)
◆テレワークとは

テレワークとはICT(情報通信技術)を活用し、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。自宅での就業を可能にする在宅勤務、場所に依存せずどこでも仕事が可能なモバイルワーク、サテライトオフィスやレンタルオフィスを活用した施設利用型勤務などさまざまな形態があります。テレワークは場所だけでなく、時間的にも自由度の高い働き方を実現します(図2)。
テレワークの導入メリット

テレワークの導入は企業、従業員、社会にとってさまざまなメリットがあります(図3)。
例えば大規模災害の発生時、交通遮断や計画停電の影響を受け、自宅待機せざるを得ないことがあります。しかしテレワーク環境があれば事業継続、早期復旧が可能になりBCP(事業継続計画)対策としても有用です。またテレワーク導入に伴うペーパーレス化により印刷コストの削減や情報の一元管理、検索性の向上が見込めます。そしてさまざまな働き方に対応することで、前述の育児・介護や配偶者の転勤、結婚などの引っ越しによる離職の歯止めにもなります。
従業員にとっても満員電車や渋滞など通勤による疲労・ストレスの軽減や通勤時間の有効活用などメリットがあります。通勤時間の全国平均は往復約2時間です。仮に年間の勤務日数を240日で試算すると480時間を仕事や家族・自分の時間に充てることが可能です。実際、厚生労働省と総務省が実施したテレワークモデル実証事業の従業員アンケートでは75%以上の人が家族と過ごす時間や家事・育児の時間が増えたと回答しています。
人の移動が減ることで交通渋滞も緩和され大気汚染や騒音などによる環境への負荷も軽減されます。また遠隔地での就業が可能になることで地方創生のきっかけにもなります。
テレワークに適したクラウドサービス

インターネットがつながれば場所を選ばず利用できるクラウドサービスは、テレワークとの親和性が高いため、活用を強くお勧めします(図4)。
社内外からのデータアクセスを可能にするには、データサーバーなどを構築する必要があります。しかし自社運用で高いセキュリティーの維持、バックアップや障害時の対応などを行うには、人材も知識もコストも必要です。これらの課題解決にクラウドサービスの利用が役立ちます。また複数端末での利用が想定されているクラウドサービスでは、利用端末を固定せずにソフトウエアを利用することができ、保守・運用コストの低減にも寄与します。
私たちがお勧めするクラウドサービス
私たちは、「あらゆるデータをいつでもどこでも、もっと自由に!」をコンセプトにものづくり業界向けのクラウドサービス Manufacturing-Spaceを2013年よりご提供しています。NTTデータグループのセキュリティー・堅牢性の高いデータセンターを利用したデータ管理サービスをベースに、ものづくりに役立つさまざまなサービスを展開しています。今では700社を超えるお客さまにご利用いただいています。
おわりに
テレワーク・在宅勤務の制度は決して育児・介護を支援する福利厚生のためだけの制度ではありません。企業にとっても従業員の離職を防ぎ、生産性を向上させる有効な手段です。近年、テレワーク導入時の補助金・助成金や専門家派遣によるノウハウ支援など国の後押しもありテレワークを導入している企業は増えています。今後もテレワーク促進のお役に立つよう、Manufacturing-Spaceのサービスを提供してまいりますのでご期待ください。
参考:
「一般社団法人 日本テレワーク協会」http://www.japan-telework.or.jp/(外部サイトへ移動します)
「厚生労働省 テレワーク活用事例 -仕事と育児・介護の両立のために-」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritu.html(外部サイトへ移動します)
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