人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.62 | お客様事例
製造業応援ブログから人の輪が広がる。
一番大切なことは、人のつながり

株式会社ジーズ・フィールド様は、樹脂成形金型のモデリング・加工データ作成において実績15年以上というCAD/CAMの職人集団です。データ作成以外にも電極の加工までの受注、そして自動加工機の設計など新しい事業へと確実に進まれています。

今回は、事業紹介、Space-Eでの業務、今後の展開、そして山本社長が立ち上げている「製造業応援ブログ!」のお話を中心にお伺いしました。「製造業応援ブログ!」とは、日本の製造業を盛り上げたいという純粋な気持ちで損得勘定なく開設されたブログです。

事業内容

代表取締役 山本 治 様
代表取締役 山本 治 様

当社は、主に樹脂成形金型のモデリングとNCデータ作成を行っています。現在は、電極の仕事が多くなっていますが、プレス成形型、低圧成形型、鍛造型、発泡型などの樹脂成形金型以外の実績もあります。

これまで電極は、加工データの作成までの仕事が主でしたが、昨年からは加工も含めたご提案をしています。

当社はグラファイトを専門にしていたので、その経験を活かしてダイカストの電極にグラファイトを使っていただくご提案です。既に、グラファイトの良さをご理解いただけたお客様もいらっしゃいますので、少しずつですがグラファイトの加工までの仕事が増えてきました。

Space-Eでの業務

模型のカスタムパーツ
模型のカスタムパーツ
工作機
工作機
模型のカスタムパーツのモデル、 加工経路(Space-E)
模型のカスタムパーツのモデル、
加工経路(Space-E)
(左)販売しているCode-GSパッケージ (右)アルミのカスタムパーツ
(左)販売しているCode-GSパッケージ(右)アルミのカスタムパーツ

会社設立前からSpace-Eを使っています。それ以前に務めていた会社では、GRADE/CUBE初期のシリーズから使っていたので、トータルすると18年以上は使っています。

Space-EもGRADEと同じようにコマンドの手入力ができたので、Space-Eへの移行は比較的スムーズに行えました。当社スタッフは、全員がコマンドの先打ちをするので、キーボードから入力できるSpace-Eは、操作が早くできます。

現在は、Space-Eを4台導入しています。

主に電極の仕事が多いのは、お客様から金型の主要部分のデータ作りに専念したいという要望があったからです。主要部分以外のデータ作成を当社が一手に引き受けて、駒や電極の加工データを作成しています。依頼を受ける金型は大物なので、駒といえども形状は大きくなり、電極も数多くあります。単に形状を抜き出すだけでなく、手仕上げの工数、使用工具長、放電の消耗などを考慮した電極をSpace-Eでモデリングして加工データを作成します。

以前は、他CAMも使っていましたが、作成したデータはすぐにほしいとお客様から依頼されるため、他CAMではデータを持っていく手間もかかるということもあり、使い慣れたSpace-Eでモデリングから加工データ作成までのすべての作業を行っています。

当社は、データ作成以外にはプラモデルのカスタムパーツを製造・販売しています。3年ほど前にCode-GSというブランドを立ち上げました。パーツのデザインは、提携している北海道の模型工具メーカーがプロのモデラーさんとデザインを決め、原画を送ってくれます。そのデザインに厚みを付けてSpace-Eでモデリングした後に自社で加工しています。自社で加工できないものは協力メーカーにお願いしています。

販売業務までは手が回らないので、すべてその模型工具メーカーに委託して販売しています。いろいろな模型パーツがありますが、この写真の模型パーツは特注品で、車のブレーキのディスクをイメージしたものです。材料はアルミで、使用工具は最小でφ0.2mmを使用しています。

今後の展開

自動加工機の設計

CAD/CAM設計室
CAD/CAM設計室

自動加工機とは、たとえばブロー成形の後工程にトリムしたり穴を開けたりする機械です。これまでは、お客様が設計されている自動加工機の一部を当社で設計していましたが、今後は一台全部を設計してほしいと依頼されています。これからは、自動加工機の設計にも力を入れていきたいので、ダイレクトに形状を操作できるIronCADを導入する予定です。そして、自動加工機のノウハウがあり設計できることをアピールしていきたいと思っています。

また、昨年よりパラソリッドデータのやり取りが増えてきているため、IronCADを導入することで、今後はお客様とのデータ授受をよりスムーズに行うことができるようになります。

目標は工数半減

今後の当社の目標は、工数半減を掲げています。

この工数を半減するには、手作業のミスを削減するために、オペレーションの自動化が必要になります。そのため、Space-EのFDLIでカスタマイズすることを考えています。

たとえば、Space-Eのレイヤー情報はcsvに出力できるので、それを利用してグラファイトの発注書を自動作成したいと考えています。それからCAMでは、加工指示書の作成においてCAMWebとExcelマクロを使った自動化がすでに構築されていますが、更に改良し、自動化の範囲を広げていくことを考えています。このようなSpace-Eのカスタマイズに興味を持ったのは3年ほど前からです。

FDLIが使えれば、複数のコマンドを1コマンドにできるので、ミスを減らして工数を短縮できます。

当社は、データが商品なのでミスは致命的です。ミスがないのが当たり前なので、なるべく人の手が入らないような操作で、さらに低コストでカスタマイズすることを目指しています。

サテライトオフィス

営業拡大のため、関東方面に事務所の設置を考えています。ただ、今は社内の自動化が最優先なので、工数半減の目標が達成できてから、設置時期、場所などを検討したいと思っています。

NDESへ

カスタマイズ

CAMWebから出力される情報ですが、キーワードの一覧を見ても意味が分からないものがあります。もう少し分かりやすい情報にしてもらえると、カスタマイズで何ができるのかを明確にできます。

また、Space-Eのカスタマイズがもっと簡単にできればと思います。

低価格なCADおよびクラウド化

模型ショップのスタッフにSpace-Eのデータを見てもらうため、DDDビュワのブラウザを使っています。ただ、簡単なラインや面を作成したいようなので、機能を限定した低価格なCADを提供してもらえればと思います。

それから、出先で社内と同じSpace-E環境でデータを見たいことがあるので、クラウド化できればと思っています。自宅でも作業できるようにSpace-E/Modelerを置いて、データはftpでアップしているのですが、どこにいても同じ環境があり最新のスペックで作業できれば理想的です。

また、CL計算だけ外のサーバで処理できるような仕組みも検討してほしいと思います。

ユーザと開発チームのオフ会

ユーザとSpace-E開発チームのオフ会を開いてはいかがでしょうか。いつも開催されているセミナーではなく、もっと気楽にユーザどうしの横のつながりができるような会です。開発の方もユーザの話を直接聞くことができれば、技術から上がってくる要望の意図が明確になり、スムーズに開発できるのではないでしょうか。

開発とサポートについて

Space-Eの開発ですが、今まで無理だと思っていたものを掘り起こして、もっと斬新な機能を開発して他CAD/CAMとの差別化を図ってください。

NDESは、遅い時間でもやっかいな問題でもきちんと対応してくれるので、素晴らしいサポートだと思います。

製造業応援ブログ

株式会社ミナロ 緑川社長との出会い

起業して少し経ったとき、以前の会社の先輩からブログを進められたのが、ブログを始めるきっかけでした。

最初、ブログは日記のようなものという認識で、会社のアピールができると思い、アルミの削り出しが好きだったこともあり、ガンダムのシールド(盾)をアルミで削り出す手法をブログで公開していました。

その頃、ミナロさんのブログはすごいという噂を聞いて検索したのです。そのブログには、ミナロさんの経営理念や学校の講演内容がアップしてありました。いろいろと共感できる内容や今まで知らなかったことが数多く記述されてあり、とても大きな刺激を受けました。そして、ブログを読んでいるうちにどうしても緑川社長に会って直接話をしたくなったのです。今までの自分の人生で憧れの人にしかも他県まで会いに行く経験など一度もなかったので、かなり勇気を振り絞って緑川社長に会いに行きました。今から4~5年前のことです。

緑川社長は、製造業ブログではとても有名な方であり、憧れの方でしたから、お会いした最初に握手をしてもらえたことに大変感激しました。ミナロ設立の話やガンダム、政治や未来の製造業の話など、ブログでは聞けない刺激的な話をたくさん聞かせてもらいました。

そして、その中に私自身が変わるきっかけとなった言葉がありました。それは、「仕事云々よりも人のつながりが大切だ」という言葉です。それまでの私は、コミュニケーションが下手で、人とあまり話さず、人とのつながりの大切さも解っていませんでした。それが、緑川社長の話を聞いて、自分から発信し、人との輪を広げていかなければいけないということを教わり、そこから考え方が変わりました。

製造業応援ブログの立ち上げ

製造業応援ブログ画面
製造業応援ブログ
http://www.sugoizo-blog.com/

それからは、仕事に関係なく、いろいろな人に会うようになり、つながりを持つように心がけました。遠方の飲み会にも積極的に行くようになりました。

さらに、仕事上での人とのつながりを増やすために、近隣の型メーカーや部品加工メーカーを紹介してもらい訪問することにしました。

訪問し始めた頃は、仕事量が薄い時期だったこともあり、明るい話題は少なかったのですが、技術的な話題になると目を輝かせながら話していただけるのです。いろいろと話を聞いていくうちに、素晴らしい技術を持っているのに、そのことをどこにも発信できていない会社がたくさんあると気がついたのです。雑談で終わるにはもったいない技術です。ぜひ、この技術を表に出して皆さんに知ってもらいたいと思うようになりました。

その頃のテレビ、雑誌、新聞は大手企業の話題が多く、中小企業の記事は不況でつぶれそうな内容ばかりでした。そうではなく、中小企業も頑張っていること、日本の製造業は中小企業で支えられていることを伝えたいと思いました。

「製造業の空洞化」と言われている現在の日本。私が今置かれている立場で、製造業に対して何ができるのかを真剣に考えました。それは、損得勘定なしで純粋に製造業を盛り上げていきたいという気持ちで、さらに、何でもいいからすぐに始められることです。そして、数日考えた結果、『製造業応援ブログ!』を立ち上げることを決めました。

取材して製造業応援ブログで紹介する

まず、週に1社を目標に取材して製造業応援ブログで紹介していきました。取材でお聞きすることは、起業した想いと得意とする技術です。ブログで紹介した会社は、ホームページを持たずに発信の仕方を知らずにいた会社もありました。

しばらくすると近隣の町工場は、ほとんど取材をしてしまったので、少し範囲を広げてみました。ただ、取材を申し込んで無償だとお伝えしても断られることも多々ありました。それでも、できるだけ多くの会社をブログで紹介したいと思い、九州、広島にも取材に出かけてブログに掲載していきました。今まで紹介した会社は32社になります。

今では、取材して記事を書いてくれるメンバーが増えたので、更新する回数が増え、内容の幅も広がってきました。これまでブログは、企業紹介を主に行ってきましたが、今後は身近に起こった記事などもアップしていく予定です。

将来は、海外の町工場を取材して日本と違った考え方などを紹介できたらと思っています。

製造業応援ブログから人の輪が広がる

ブログを始めてから人とのつながりは、さらに広がりました。このブログを始めて3年になりますが、1年目と2年目の節目に会合を開催しました。この会合でも、ブログを通じて人の輪が年々大きくなっていることを実感しています。

また、このブログに紹介したことで、何社かは仕事につながったという話を聞いています。最近では、ブログに会社を紹介してほしいので、取材に来てくれないかという依頼をいただけるようになりました。

ますます広がりを見せていくこの人の輪が、今後、製造業界でどのような形に発展していくのか、私自身も楽しみにしています。

おわりに

ジーズ・フィールド様の社名は、GRADEの頭文字の「G」と山本治社長のお名前である「治」の音読みが「ジ」であること、そして作業フォルダ名のrun_field、nc_fieldの「Field」からG's-Fieldにされたそうです。さらに、その社名の意味のひとつが「GRADE、Space-E使いの集まり」だとお聞きし、NDESの取材スタッフ一同、大変感激しました。

大変お忙しいところ、貴重な時間を割いてお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

会社プロフィール

自社製作のネームプレート
自社製作のネームプレート

株式会社 ジーズ・フィールド

URL http://www.gs-field.net/(外部サイトへ移動します)

本社 〒417-0047 静岡県富士市青島町180 加藤ビル2階
設立 平成18年10月
事業内容 樹脂成形金型モデリング・加工データの作成

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