人とシステム

季刊誌
NTTデータエンジニアリングシステムズが発行する
お客さまにお役に立つ情報をお届けする情報誌です。

No.113 | システム紹介
最新バージョン
Space-E 2025 R1リリースのお知らせ
株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ
製造ソリューション事業部 技術開発部 開発課 課長代理
若原 朋子

はじめに

最新バージョンのSpace-E 2025 R1(以下、2025 R1)では 、CAD/CAMの既存機能強化とCAD&CAM連携機能強化に注力しました。製品製造情報(PMI:Product Manufacturing Information)の読み込み、ストックを考慮した仕上げ加工、CAD&CAM連携機能を提供します。これにより、設計から製造の情報漏れによる作業ミスや無駄な仕上げ加工、CAMの繰り返し作業を削減でき効率的な業務が可能です。ここでは、新バージョンの概要をご紹介します。

Space-E/Modeler

STEPデータのPMI読み込み(グラフィカル要素)設計

製造の効率化や品質向上の手段として、3D CADデータのPMIの活用が注目されています。2025 R1では、STEP AP242に含まれるPMIをグラフィカル要素として取り込むことができ、従来の専用ビューアは不要となります(図1)。上流工程の情報を確認でき、設計・製造間の認識齟齬や情報の抜け漏れを防止します。PMI情報はDIM要素として取り込みます。Space-E/STEPのライセンスが必要です。

 図1 STEP AP242のPMIを表示
図1 STEP AP242のPMIを表示

レフィットの収束計算

スプリングバックを見込んだ解析データを目標にして面を変形する際に、指定した目標誤差内を目安に、コマンドを反復処理して収束計算が行えるようになりました(図2)。変形結果をより追い込みたいケースでは コマンドの繰り返し作業による手間を削減できます。収束計算の終了条件は目標誤差値に達するか、または20回の反復処理の実施となります。Space-E/Global Deformation Plusのライセンスが必要です。

 図2 レフィットの収束計算
図2 レフィットの収束計算

Space-E/CAM

前工程のストックを考慮した仕上げ加工の経路作成

前工程のストック(削り残し)を考慮した仕上げ加工の経路が作成できるようになりました(図3)。ストックを認識して最適化することで、加工範囲の作成の手間が省けCAM作業の効率化ができます。かつ無駄な経路も削減でき、加工時間の短縮も可能です。ストックは、直前の工程のストックの他に、前工程、任意形状、加工形状(サブモデル)を参照できます。[パス出力調整]で切削が不要なカスプ高さを指定し、不要な経路の出力を抑制できます。等高線仕上げ・等高線全体仕上げ・平坦部走査・水平領域・平坦部周回・走査線仕上げが対象です。

 図3 前工程のストック考慮
図3 前工程のストック考慮

工具の必要長さを常に算出

干渉の有無にかかわらず工具の必要長さを常に算出します(図4)。算出された工具の必要長さを参考に工具設定ができ、設定と計算を繰り返す手間を省けます。

加工指示書に出力して、現場でも工具の必要長さを考慮できます(図5)。

本機能は設定を行った工具の必要長さの目安(参考値)を算出する簡易機能です。

図4 必要工具長のレポート表示
図4 必要工具長のレポート表示
図5 必要工具長を加工指示書に出力
図5 必要工具長を加工指示書に出力

面沿いオフセットの境界部の経路作成

経路のピッチ方向を指定するガイドカーブとは別に境界としてセクションカーブを指定できるようになりました(図6)。モデルの外周輪郭をセクションカーブに指定することで、モデルの境界まで経路作成が可能となります。

図6 面沿いオフセットのセクションカーブで境界部まで経路作成
図6 面沿いオフセットのセクションカーブで境界部まで経路作成

面沿いオフセットの3Dピッチの経路作成

3Dのパス投影ができるようになりました。パス投影を2Dの場合はXY平面方向にパスを投影しますが、3Dにすると面の法線方向にパスを投影でき、2Dよりも形状に沿って等間隔に近い経路が作成できます(図7)。これにより形状特性に合った経路作成ができるようになりました。

図7 面沿いオフセットのパス投影による経路作成
図7 面沿いオフセットのパス投影による経路作成

Space-E/Modeler&Space-E/CAM

CAD&CAM連携の強化

CAD&CAM連携機能では、Modeler の「加工用グループ」に加工形状、加工範囲、加工座標系を登録すると、CAMの取り込み時に名前によるマッチングで一括設定できます(図8)。

図8 CAD&CAM連携
図8 CAD&CAM連携

2025 R1では、2 軸加工において加工範囲のZ設定を、基本加工境界を参照して一律設定にするか、 加工機能ごとのZ設定を有効にして3軸加工と同様に個別設定するかを選択できるように改善しました(図9) 。2軸加工機能でもCAD&CAM連携機能を活用することで、CAM設定の手間を省き、オペレータの負担を軽減することが可能です。対応する2軸加工機能はポケット、輪郭、輪郭削り残しです。

図9 加工範囲のZ設定
図9 加工範囲のZ設定

Space-E/5Axis

5軸変換で3軸加工機能のパラメータ参照

経路5軸変換、割り出し5軸変換のパラメータの設定で、元となる3軸加工機能のパラメータを参照できるようになりました。これにより、設定漏れの防止やCAMの設定時間の削減が可能です。

5軸荒取りの移動、回転コピー

経路作成時に、移動や回転の経路が併せて作成できるようになりました(図10)。

図10 5軸荒取りの回転コピー
図10 5軸荒取りの回転コピー

移動や回転など繰り返しパターンのある同形状の場合に、 経路の作成時間を大幅に削減できます(図11)。

図11 5軸荒取りの回転コピーの効果
図11 5軸荒取りの回転コピーの効果

同時5軸加工のシミュレーションの精度向上

機械シミュレーションの起動時に工作機の工具軸が急旋回する状態を検出し、事前に警告表示できるようになりました(図12)。これにより、工具軸が急旋回して削り込むなどの実加工時のトラブルを防止することができます。

図12 工具軸急旋回時の警告表示
図12 工具軸急旋回時の警告表示

株式会社NDES 2025年10月1日営業開始

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズの製造ソリューション事業とクラウド事業は「株式会社NDES」として独立し、株式会社CGSのグループの一員として2025年10月1日より営業を開始しました。これまで同様にCAD/CAMソフトウエアの自動化推進に向けて、グループ会社の知見と先端技術を融合してさらなる技術革新に取り組み、お客さまのお役に立ちますよう尽力いたします。