「Space-E」の最新Version 5.9(以下、Ver.5.9)を2020年7月14日にリリースしました。
今回のバージョンアップでは、さらなる自動化に向けて、主に縫合機能やプレス機能、5軸加工機能などの機能強化、加工範囲設定の簡易化、アレンジモードの線種の追加などを行ったほか、ご要望にお応えするための改修を行いました。
ここでは、バージョンアップ内容を一部ご紹介します。
バージョンアップ内容
- 【Space-E/Modeler】
縫合前チェック機能を用いて手戻りのないボディ化を実現
サーフェイス群をつなぎ合わせてボディ化する縫合機能に「縫合前チェック」機能を追加しました。これにより、ボディ化の作業時間を約40%削減(当社比)します。
これまでは、サーフェイス間に視覚的には確認できない隙間等があっても、縫合機能では判別できないため、縫合処理後に別の機能を使用して隙間の有無を確認する必要がありました。
Ver.5.9で追加した「縫合前チェック」機能では、アイテムタイプ、隙間の最大値、隙間の最大誤差が発生している箇所、境界エッジ数等を事前に確認できるため、従来の作業に比べ、修正の作業効率を大幅に向上させ、手戻り作業も抑えられます。
図1 縫合前チェックの結果表示
図2 隙間の最大値はワンクリックで縫合時の許容誤差に代入でき、目安値での大まかな作業を防ぎます
図3 隙間の最大誤差の数値と箇所の表示例
- 【Space-E/Global Deformation】※オプション機能
ボリュームデフォメーションの変形履歴機能で設計変更にも柔軟に対応
成形品と元データの差分量を算出し、元データに対して見込み変形を行うSpace-E/Global Deformationのボリュームデフォメーション機能に、コマンド終了時に変形条件が自動で登録される「変形履歴」機能を追加しました。
「変形履歴」を活用することで、履歴から変形条件を再現できるだけでなく、一部の変形条件を変更して見込み変形を行うこともできるため、条件を再設定する手間や設定の誤りが抑制されます。また、過去に作業したモデルの設計変更にも柔軟に対応できます。
図4 ボリュームデフォメーション変形履歴
- 【Space-E/5Axis】
2Dモデルからホルダ定義
2Dモデル(ワイヤフレーム形状)を取り込むことで、手間なく正確にホルダが定義できるようになりました。ほとんどの工具メーカーから提供されるホルダごとのDXF データから外郭線を抽出し、CAM に取り込むだけで簡単にホルダ設定ができるようになっています。
これまで、曲率部分を直線近似して大まかな形状で定義していた工具でも、より実際の寸法に合った定義ができるため、必要最低限の工具長でビビリのない高精度な5軸加工ができます。
図5 2Dモデルからの工具のホルダ設定例
図6 工具でのシミュレーション例
Space-Eは、いま「自動化」に向けて歩んでいます。ご期待ください。